10月 ヒマラヤスギの香り
秋になると、春とは違う木々の香りがします。
それは熟成された深い香りのような印象を持ちます。
杉の木は日本ではよく使われる木のひとつではないかと思います。
その香りの良さから、杉板としてお料理の引き立て役に、また杉のスノコとして押入れの防虫効果に、そして神社の建築には杉が使われます。
ヒマラヤスギはかつてレバノンに深い森をつくっていました。
今は砂漠のような山肌は、紀元前には濃い緑の覆われたレバノンスギの森でした。
レバノンスギの杉の大きさは人が20人くらい手をつないで幹のまわりを取り囲めるほどです。
背の高さもゆうに50mは超えています。
その神秘的ともいえる雄大さは、紀元前9世紀くらいに存在したソロモン王によって重用されて、ソロモンの神殿の材料となりました。
神殿の中では神事の他、さまざまな治療(今でいうセラピーやヒーリング)が行われていました。
ヒマラヤスギの香り
杉の香りはリラックスするαピネン系の香りの他に、杉の独特な香りがあります。
この成分には、虫を寄せつけないようにしたり、不安を軽減して気持ちをおだやかにしたり、またアレルギーを緩和したりします。
日本でこのヒマラヤスギを見かけることは少ないのですが、実際に見ると、その存在感に圧倒されます。
1本でも降り注ぐ樹の精が森林浴をもたらしてくれます。
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